『七月の炭酸水』

うどんが好きな、場末人の生存と残像。

うつ病が「治る」とは?

president.jp

 

私もこれはHead Officerから言われたときに違和感を感じた。

未だに世間一般の人は「うつ病」は薬で"治る"ものだと思われているため

当事者としては、誤解が生じる。

風邪のように"治る"訳ではない。

もっと複雑な病気だ。

再発率も高いし、「寛解」という概念を知らないので往々にして誤解される。

うっかり職場で話さない方がいいなと強く感じたし、反省した。

それでも、当事者としては職場で常に誤解に晒されることに不安を覚えるのは

息苦しいなあと少し感じた。

確かに、治っているように見える人でも急に何かのきっかけが引き金で

(昇進、引っ越し、パートナーとの別離などで驚くほどにぶり返したりする)

また具合が悪くなってしまう。

糖尿病のように血糖値を測れば、数値として客観的に分かればまだ

話は簡単なのだが....

ベストセラーになっている漫画について

 

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

 

 

この本を原作とした漫画が異例のベストセラーになっているとニュースでやっていた。
わたしはこの本を21歳くらいに読んだきりで読後感は自分がどう在りたいか?
ということを問いかける実存的な部分と社会学的な洞察を促すシーンやマルクスの哲学を平易に語る場面があったと記憶していたがおおむね記憶違いでなかった。自然科学のことにふれていたのは失念していたが、
またもし、気分がのれば、読みなおそうかなとも思う。

最近、健康に幸せに働くにはどうすればいいのか?考えることが多いので
そのヒントになればと考えるが、

今の時代状況の閉塞は出版当時の1937年の戦争の足音を感じるような時代状況の閉塞や格差など似ているところもあるが、経済や政治などのゲームのルールは戻れないくらいに変わっている。

もし、気が向いたとして読んでも感興はえられないかもしれない。
ただ、時代は廻り巡り巡るのだなとひしとかんじている。

最晩年の宮崎駿がこの題名で新作にとり組んでいるのは、
おじさんとして語りかけたいということもあるんじゃないかと思う。来るべきコペルくんたちへ

しかし、来るべき未来の人々に託すだけでは、ダメで
むしろ、今の「悪意に満ちた平和」に巻かれて生きる/仕方無く、世間から打ち捨てられることに怯えて奴隷のように働かされている

我々、なんでもない市井にいきる大人こそ、日々の世知辛い生活体験から自分のコトバで考え社会の在りかたや生き方を問い直さなければ、私達もコペル君のおじさんみたいにはなれない。

前の世代は反面教師だったと言われないためにも。

 

 

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

 

 (↑ベストセラーの漫画版「君たちはどう生きるか」はコチラ)

「セックスワーカー」の人権を考えるために。社会学のお手本としても読める。

 

風俗嬢の見えない孤立 (光文社新書)

風俗嬢の見えない孤立 (光文社新書)

 

 

帯に書かれているように、「新たなサイレントマジョリティ」を可視化する
社会に対して問題を顕在化させる意味でもとても意味のある本。
もう一つ、著者の謙虚さにも感銘を打たれた。
風俗嬢の当事者と出会うことを通し、「人間を色眼鏡で見ること」がどんなに
目の前のその人自身を理解するのに障壁になるかを冒頭でしっかり書かれているので
そのような著者の姿勢にも感銘を受けた。

大前提として彼女たちも「セックスワーカー」という労働をしているプロなので、
お金を頂いたからには真摯に質の良いサービスを提供する意識もあるだろう。

それでも労働法上は日雇いなので雇用/健康保険などがある店は稀だし、労働環境も未整備だ。

中途ハンパな気持ちで
働いているわけではないと思う。

将来の夢や学費を稼ぐために体を張って稼いでいる女の子たちは
世間のイメージとは程遠い
真面目に人生を生きている人々だ。

そのような世間の「常識」をひっくり返す極めて社会学的な本とも言える。
いずれにせよモヤモヤしている「常識」や「偏見」で人々を偏見の眼差しで
まなざすことよりも
正確なデータに基づく事実や当事者である「セックスワーカー」たちの
個々の人生のストーリーを理解することが大事なことだと
この本の読後感として受け取った。

 

「セックスワーカー」とは誰か―移住・性労働・人身取引の構造と経験

「セックスワーカー」とは誰か―移住・性労働・人身取引の構造と経験

 

 上記の本は「セックスワーカー」というニュートラルな概念を普及させた名著だが、

前掲書の日本のセックスワーカーに対する社会の偏見/結婚相手の女性役割期待と娼婦役割を期待する女性に対するダブルスタンダードと異なり、途上国の女性(未成年も含む;例えば、母親のエイズの治療薬のために性労働に従事するペドフィリアの餌食になる少女など)

より陰惨で過酷なものなので日本の自由意志に基づく「セックスワーカー」とは違うので注意されたい。

 

「(労働法)2018年問題」の最初の大きいニュース

 

mainichi.jp

出た。おそらく裁判になるだろう。最初の2018年問題。
この「雇止め」はあからさまで卑怯すぎる。まさに「使い捨て」
(しかも、約『400人』一気に2018年4月で雇止め!←ハンパない!)

労働法の趣旨に反していると個人的に思う。

それから、これは労働法をかじった素人としての疑問だが、

・「雇止め」に関して『解雇権濫用法理』について

・「就業規則」も下記記事を見れば、いじっているので、

 『就業規則の不利益変更』

2つ論点あるんじゃないかなあと。「雇止め」だけでなく。

焦点が2つありそうな...

 

あと一つ指摘できうるならば、『6ヶ月の空白期間』(これを「クーリング期間」という)を設ければ、継続通算期間がリセットされるという制度上悪用されうるような部分をついている。

つまり「5年通算更新で無期転換」の間にクーリング期間を合間に設定すれば通算期間がリセットされるという制度を悪用しようとする人たちがいるわけだ。

この制度設計を変えるか、もしくはクーリング期間設定の要件を厳格化したり、制限を設けるなどしないとと感じる。

 

いずれにせよ、こんなこと認めて社会でまかり通ったらひどすぎるので

理研側を負かせた「判決」を出して、

実定法(労働法)のさらなる規制強化改正に繋げて欲しい。

 

 

☆別のニュースソースより抜粋

(こちらの方がより労働法に照らし合わせて踏み込んだ書き方をしている)

数々のノーベル賞受賞者を輩出した理化学研究所(本部・埼玉県和光市)が、有期契約の非常勤職員を無期契約に転換することを逃れるため契約5年上限の雇い止めを狙い、労働組合と誠実に話し合わないとして、理化学研究所労働組合理研労)と上部団体の科学技術産業労働組合協議会(科労協)は18日、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てました。


写真

(写真)会見する理研労と弁護団の人たち=18日、厚労省

 申立書などによると、理研では16年4月、就業規則を変更し、契約に5年の上限をもうけました。6カ月の空白(クーリング)期間が経過しないと再雇用しないことも規定されました。労働者過半数代表と労働組合は反対意見を労働基準監督署に提出しています。

 組合側は団体交渉で撤回を申し入れましたが、当局側は撤回を拒否し、雇い止めの理由や必要性を具体的に明らかにしないため、不当労働行為の救済を申し立てたものです。

 日本共産党の田村智子参院議員の内閣委員会の質問で、理研には非常勤職員が4209人、契約上限に達する人が496人いると明らかになりました。 

 理研は「無期雇用アシスタント」試験の合格者だけを無期雇用にするとしていますが、合格者は16年74人、17年47人だけです。

 同日、厚労省で会見した金井保之理研労委員長は、「職員は研究がスムーズにいくよう支えている。ベテランがいなくなれば研究現場は混乱し、まわらなくなる」と警鐘を鳴らしました。

 雇い止めの危機にある非常勤職員6人が実態を訴えました。

 経理などを担当する60代の男性は、「引き継ぎの職員は、すぐには理解できず、私に聞きにくる。こんな無駄な雇い止めをなぜするのか」と強調しました。

 40代の女性は、「競争している研究成果の緊急発表の支援など、規定を理解した職員がいないとできない」と指摘。「私の部署では、6カ月クーリングが行われたが、割り当てられたメールアドレスを残してある」と脱法行為を告発しました。

 

 

労働法 第6版

労働法 第6版

 

小さなエピソードや物語たちが折り重なり、重"奏"され全体をなしている盛者必衰、諸行無常の物語

 

古川日出男 訳ver.
現代に蘇った琵琶法師たちがバンドを組み、
エレクトリックギターを搔き鳴らし、
後ろではドラマーの法師がドラミングをして物語っているような
新訳文体のグルーヴ感と鳴り止まぬビートがたまらん。

繰り返される盛者必衰・諸行無常のサーガ(物語)

 

貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち (講談社現代新書)

 

これは必読。
昔の「苦労は買ってでもしろ。」という言葉は現代ではもはやおとぎ話という叙述はうなずける。
昔はがんばればどうにかなるという感覚があったようだが、いまはがんばっていても報われない。苦労どころではないドレイのようにこき使われる人々・若者
若者も怒っているが、それを政治が吸い上げ、若者の現状を代弁する回路もない。若者はますます無力感と徒労を感じる。
社会のシステムを変えるべきと著者はいうが、ではどうやって?というところが難しいところ。