『七月の炭酸水』

うどんが好きな、場末人の生存と残像。

さいきんのどくしょ2

最近は、武田泰淳を読み返して改めて凄まじい作家だなと感じた。読んだのは、「誰を箱舟に残すか」「蝮のすえ」・「我が子キリスト」・「ゴジラのくる夜」どれも怪物的な文学。
上記の中・短編はいずれも読んでいて面白いエンターテイメント性もあるが「神」がどの作品も通奏低音となって隠しテーマとして出てくる。
それがすこぶるたまらない。
破滅への欲動。世界をリセットしたい気持ち。
まるでナウシカ巨神兵のような《裁く神》が小説世界のテーマの一つとして重厚感を与えている。

もう一つは、武田泰淳の「生の確証」としての肉体性へのこだわり 
とりわけ艶かしく描写される女たち。
女性の生きるしたたかさや計算高さとその強烈なエネルギーに振り回される男たち。武田らしい男女観である。
その人間の禍々しい欲望と《裁く神》の存在が「両義的」に共存しているのも特徴的だし、きになるところ。深く読み解けているかわからないが)

蛇足だが、個人的には今まで潔癖だった故に
そのような人間の生々しい欲望も俺も無頼派的に味わうのも良いかななんて感じた。

 

わが子キリスト (講談社文芸文庫)

わが子キリスト (講談社文芸文庫)

 
ニセ札つかいの手記 - 武田泰淳異色短篇集 (中公文庫)
 
蝮のすえ・「愛」のかたち (講談社文芸文庫)

蝮のすえ・「愛」のかたち (講談社文芸文庫)

 

 

性犯罪(痴漢)の加害者の嗜癖やパーソナリティーについて

www.buzzfeed.com

世の中にこのような人間が一定数いるんだと思うとゾッとする。

個人的にはこのような「性犯罪」は絶対に許してはいけないと思うし、

「痴漢」という言葉ももっと重大な犯罪として名前を重いものにしたほうがいいと思う。加えて厳罰化もすべきであるとも感じる。被害者の心にはトラウマ体験として

ずっと心の傷として残るからだ。

例えば、「性的な意図に基づいた侵襲的な性犯罪」に名を改めて、懲役3〜6年くらいに

しても良いと感じる。

加害者についてこの記事を読むと、精神医学や心理学的には、

「自己愛性パーソナリティ障害」の傾向があると感じた。

あまりに被害者を見下し、心情を慮る想像力にかけている。

精神医学や心理学としてはこれはいわゆる「病気」ではなくあくまで、

パーソナリティや性格の偏りということだが、病理的なことは間違えない。

頭ごなしな更生や矯正プログラムを施しても付け焼き刃にしかならない可能性が高い。

臨床心理学的な視点から適切に治療することが現実的であると思う。

(ただ、冷静に加害者の更生を考えると、仮に病理的な「自己愛性パーソナリティ」やある種の嗜癖行為;依存症に近いところもあるし、パーソナリティ障害であれば、生育歴や家族環境が劣悪だったという可能性があるので、そこを治療しないと、性犯罪者の根本的な更生には繋がらない。もっとも、根っからのワルというかどうにもならない人もいると思うけれども。)

 

 

 

映画:『否定と肯定』


『否定と肯定』12月8日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー

 

【公式サイトintroductionより引用】


--ユダヤ人女性の歴史学者デボラ・E・リップシュタットは、イギリスの歴史家デイヴィッド・アーヴィングが訴える大量虐殺はなかったとする“ホロコースト否定論”を看過できず、著書で真っ向から対立する主張を繰り広げていた。しかし、アーヴィングは、名誉毀損でリップシュタットを提訴、異例の法廷対決が始まった。この裁判は、開始時から欧米でセンセーショナルに報道され、判決の行方は、ユダヤ人だけでなく、世界の知識層や学者などからも注目された。

裁判の行方を混沌とさせたのは、アーヴィングが提訴した先が、英国の王立裁判所という点だった。英国の司法制度は、訴える側ではなく、訴えられた側に立証する責任がある。それゆえ、訴えられたリップシュタットは、裁判でアーヴィングが唱える“ホロコースト否定論”を崩す必要があった。

このため、彼女のために、英国人による大弁護団が組織された。アーヴィングの日記を調べ上げ、アウシュビッツの現地調査も行い、歴史の真実を確認する作業が繰り広げられる。

 

 

 

 

【参照:上記映画のモデルとなった歴史学者のインタビュー】

www.asahi.com

ワシントンからみた日本

www.asahi.com

この記事によると、
ワシントンのあるアメリカ人は日本は「平和」で「安定」しているから
羨ましいと感じるらしい。

ただ、日本は水面下では、皆それぞれ思うところがあり、
アメリカと変わらないところもあるのでは?
精神分析の用語をかじった俺なんかは思ってしまう。

日本は〈世間〉・〈世間体〉・〈同調圧力〉などの
文化的な「抑圧」がすごいから表に出てこないだけで
本当はアメリカ社会の人々と同じように

「怒って」いたり「それぞれのホンネ」が社会的な「抑圧」で
出せないだけではないかと感じた。

潜在的にはあるが、顕在化されない。

 

最近聴いた音楽でもっとも感動した曲

 

ミッシェルガンエレファントは
メンバー全員が明治学院で実は俺の大学の先輩である。

日本のロック史に刻まれるであろう素晴らしい偉大なバンドなのは

言うまでもないだろう。


(ソングライツという音楽サークル出身。ちなみに俺もバンドサークルに所属していたがバンドマンはタバコ吸うので練習んとき、タバコの副流煙に耐えられずやめた。)

 

中でもこの曲の(今は亡き)アベフトシテレキャスターから
繰り出されるクリーンなメロディ。(アルバムではピアノであるが)
うねるベースと
シンプルだが正確無比なドラミング


そこから、チバのロックンロールの本質
(いや、人間の本質と言うべきかもしれない)
をえぐり出したような歌詞とシャウト。

 

このライヴ曲の完成度は半端ない。
俺も大学一年の時に友達と解散ライヴ行けばよかった。

 

画面に歌詞が表示されるので興味ある方是非に。

 


THEE MICHELLE GUN ELEPHANT GIRLFRIEND 【Live Ver.】

『Exit, Voice, and Loyalty』Harvard University Press

 

Exit, Voice, and Loyalty: Responses to Decline in Firms, Organizations, and States

Exit, Voice, and Loyalty: Responses to Decline in Firms, Organizations, and States

 

 

しばしば、さらりまんをなんとかやれている俺も
何でみんな忙しいの?何でそんな急ぐの?あの朝の通勤電車の殺伐感なに?
とか働いていて思う。
businessはbusyからの名詞形といわれればぐうの音もでない。
しかし、それにしても日本人忙しすぎだと。
こういうとき、慶應SFCのweb聴講生だったとき読んだこの本を思い出す。
企業、組織、あるいは国(より正確にはアメリカ合衆国States)のなかで不満や意気喪失があったとき...に関する本。
直訳の本のタイトルは
「退出、意見をあげる、あるいは忠誠を」

『ROCKIN’ON JAPAN』12月号より syrup16g 五十嵐隆インタビュー(リンク参照)

 

syrup16g・五十嵐隆にインタビュー!|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム

 

実質的なファーストアルバム『COPY』から16年、ということで、これまでの膨大な未発表曲から13曲を選りすぐって再レコーディングしたニューアルバム『delaidback』をリリース、それに先んじて10月5日Zepp Tokyoからツアー「十六夜〈IZAYOI〉」を回っているsyrup16g
このアルバムのことについて、そして現在のsyrup16gについて、五十嵐隆にインタビューしました。
発売中『ROCKIN’ON JAPAN』12月号に掲載されています。

 

rockinon.com