『七月の炭酸水』

作家・アート系気質なのに、会社員な人の生存と残像。

【Amazonレビュー:書評転載】「つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた。」

 

5つ星のうち5.0

スキーマ療法について(この本自体の中身に触れられないのはどうかご寛恕頂きたく存じます)』
投稿者takeshi Aoyagi2017年11月2日


長年、CBTとスキーマ療法を学んできた者として、
常日頃感じるのが、プロの支援者や医療関係者の方であっても
CBTを語る文脈でスキーマスキーマ療法に触れるとき、
個々人で微妙に解釈の温度差がある記述に違和感を感じることがある。

それぞれの方が一般向けに噛み砕いて説明しているので、仕方のないことかもしれないけれど、

まだまだ、日本において「スキーマ療法」がしっかりとした厚みと中身を持って
臨床家を通じ提供するには時間がかかる。と思われる。厳しい現実だが。
(確か著者自身の言葉で綴られた「スキーマ療法入門」スキーマ療法入門 理論と事例で学ぶスキーマ療法の基礎と応用で記述されていたと記憶している)

スキーマ療法Schema Therapy」はグローバルスタンダードでは
エビデンスに裏打ちされた研究/基礎心理学的研究もしっかり積み重なっており、
決して「薄っぺらい」ブームや流行りものではない。

本来、ヤングの「スキーマ療法」金剛出版(2008)スキーマ療法―パーソナリティの問題に対する統合的認知行動療法アプローチ という深みのある大著が翻訳されてから
一連のスキーマ療法に関連する海外の重要な本を誠実で質の高い翻訳で
提供している著者の歴史と苦闘、持続する強い意志には
それなりの「敬意」を払う必要があるだろう。

もっとも、こちらはNPD当事者/BPD当事者に絞った個別のケーススタディが豊富な
主眼は(何らか)の当事者へのセルフヘルプの本であり、
かつ「統合的認知行動療法」であるスキーマ療法の本でもある。

〈理解する/読む〉という営みは本来は著者にも誠実であらなければいけないと個人的に
感じる。

それを踏まえた上で、「スキーマ療法」(2008)をしっかり理解することから
まずは積み重ねていくことが著者の誠実さに
答えることにもなり、回り回って一番苦しんでいる「当事者」に
質の高い心理療法が提供できるのではないだろうか。

もちろん、様々な人が関わり、手間暇をかけて作られたこの本を読むだけでも
現代社会のストレスに押しつぶされそうな人や生きづらさを抱える人にとって
質の高い読書療法/心理教育になるだろう。
(というよりむしろ、本来は当事者の方々向けに軸足を置いた意図の本であるはず...)

少し、この本の中身に触れられないのは紙面の都合上と小生の時間の都合上(大変申し訳ないです)
残念であるが、最後に強調しておきたいのは、

パーソナリティ障害に対する、これまでの〈偏見〉を打ち破る気迫さえ感じる著者の強い意志と
(その心ない〈偏見〉にこそ「当事者」の方々が苦しみ・そして傷ついている)
あくまでも、パーソナリティ障害に苦しむ「当事者」側に立つ「治療的再養育」的な著者の暖かい姿勢は
日本の臨床においても、稀有な「希望の光」になっていることも忘れてはならないのではないか。

【追記】
少し、書き方が「上から目線」「生意気」に少しでも感じられる方がいらっしゃったら、
それはひとえに私の文章力の力量不足にあります。申し訳ないです。
最後にここまで読んでくださった方ありがとうございました。
拙いレビューだったかもしれませんが、それでも読んでいただいて感謝いたします。