『七月の炭酸水』

うどんが好きな、場末人の生存と残像。

「母性の宗教」

 

切支丹の里 (中公文庫)

切支丹の里 (中公文庫)

 

 

 

キリスト教文学というか、隠れキリシタンキリスト教を切り口に
人間心理に対する哲学的とも言える「問い」とそれに対する〈弱き者〉の心情から人間を考察・探求してゆく遠藤周作の『思索』こそが遠藤の文学なんだと感じた。

ーー踏跡で黒ずんだ一枚の踏絵を見た感動から、基督教禁止時代の殉教者よりも、棄教した宣教師や切支丹の心情に強く惹かれた著者。島原などの隠れ切支丹の里を訪ね歩き、基督教が日本の風土と歴史の中で変貌していく様を真摯な取材と文献の中から考察する。名作『沈黙』を貫く著者独自の思想がうかがえる紀行・作品集。
(背表紙解題より)