『七月の炭酸水』

作家・アート系気質な場末人の生存と残像。

水中メガネ


Chappie - 水中メガネ

  

水中メガネで記憶へ滑ろう

蒼くて涼しい水槽の部屋

あなたの視線に 飽きられちゃったね

去年は裸で泳いでたのに

泣きながら鏡の前で踊る

ゆらりゆらり俄か雨

水中メガネをつけたら わたしは男の子

微かな潮騒 空耳なのかな

無言の会話がきしむ音かな

あなたは無視して漫画にくすくす

わたしは孤独に泳ぎだしそう

熱帯の魚と じゃれるように

暑い暑い夏の夜

心はこんなに冷たい

わたしは男の子

 

岩陰でいちゃついてた あの夏の匂い

洪水みたいに時の波が

ゆらりゆらり打ち寄せる

水中メガネの向こうで

一人鏡の前で踊る

ゆらりゆらり俄か雨

水中メガネを外せば

見知らぬ女の子